佐倉哲エッセイ集

キリスト教・聖書に関する

来訪者の声

このページは来訪者のみなさんからの反論、賛同、批評、感想、質問などを載せています。


  ホー  キリスト  聖書の間違い  来訪者の声 

篠原 千里さんより

00年7月22日

聖書を買おうと思っていますが

佐倉さん、こんにちわ。

私は、キリスト教を信仰してるわけではないのですが、聖書について学びたいと思いメールしました。今、聖書を買おうと思っていますが、どれを買えばいいのか・・・佐倉さんのホームページ見ました。が、結局どれがいいのかわかりません。もっとくわしく教えて頂きたいです。

         しのはら





作者より篠原さんへ

00年8月13日

簡単に手の入るものとしては、『新共同訳 旧約聖書続編付き聖書』(日本聖書協会)がよいのではないでしょうか。これは、プロテスタントとカトリックの両方の学者が共同で訳出したもので、例えば、「旧約聖書続編」(旧約外典)のような、カトリックには認められているがプロテスタントでは聖書の内に入れられていない書が含まれていて、聖書とは何かを学ぶ上で、とてもよいと思います。何が聖書か(すなわち、どの書が聖書に含まれるか)ということは、実は、人間が勝手に決めている(すなわち宗派によって違う)という事実を認識しておくことが大事だとおもわれるし、聖職者はおそらくそんなことを教えてくれないだろうからです。それぞれの宗派の内的観点から言えば、彼らが選んだ書が「神が選んだ書」ということになっているのです。宗派のドグマから(多少)独立したところで学べるという意味において、『新共同訳 旧約聖書続編付き聖書』(日本聖書協会)をお勧めします。

もし出来れば、旧約聖書は、実は、

関根正雄訳、『新訳 旧約聖書』(全4巻)、教文館
をお勧めしたいのです。と言いますのは、聖書はいろいろな時代のいろいろな人が書いたものを寄せ集めたものですから、聖書を学ぶということは、それぞれの著者の思想や特徴および著者の時代を学ぶということだとも言えます。しかし、多くの聖書訳、とくに教会の礼拝なんかで使われる聖書(たとえば新改訳など)は、そのような事実への配慮がまったくありません。教会の礼拝なんかで使われる聖書は、読む人を信者にするため、あるいは信者の信仰を高めるため、という特殊な目的で編纂されているからです。教会としては、聖書は直接神によって書かれたのだという印象を与えたいわけですね。しかし、実際は、聖書を書いたいろいろな生身の人間たちがいるわけです。生身の人間は、誰であろうと、当然、わたしたちと同じように、いろいろな個人的社会的時代的偏見を持っています。それぞれの著者の思想や特徴へ考慮を示した書として、わたしは関根正雄氏の研究書をお勧めします。

残念ながら、新約聖書のよい翻訳をわたしは知りません。

田川建三、八木誠一、荒井献訳、佐竹明、川村輝典訳
『聖書の世界』(新約1、新約2)、講談社
が参考になるぐらいです。田川建三訳の新約聖書など出来たらうれしいですね。


おたより、ありがとうございました。


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