佐倉哲エッセイ集

キリスト教・聖書に関する

来訪者の声

このページは来訪者のみなさんからの反論、賛同、批評、感想、質問などを載せています。わたしの応答もあります。


  ホー  キリスト  聖書の間違い  来訪者の声 

なかむらさんより

00年3月1日

ヘブライ語のふたつの「つくる」

はじめまして。

早速ですが、samtsumiさんへの応答のなかで、

第一に、ご意見によれば、まるで、へブライ語には、何もないところから造ることを意味する「つくる」という言葉と、すでにある素材からなにものかを形作るという意味の「つくる」という言葉という、二種類の「つくる」という言葉があって、創世記の著者は意図的に後者を選んだと言われているようですが、ヘブライ語には、何もないところから造ることを意味する「つくる」という言葉などないのです。

とおっしゃっていますが、ヘブライ語には、実際のところ二つの「造る」という単語が存在しています。

ひとつは創世記1:1「初めに、神が天と地を創造した」の箇所で用いられている単語で、「bara」といい、私が持っているヘブライ-英語辞典によると

「to create, to form, to make, to produce; to cut, to cut down; to engrave, to curve; to bring into existence」という意味だそうです。
一方、7節や16節などで使われているのは別の単語で、佐倉さんがおっしゃった「Asah」です。 その意味は前出の辞典によると
「to work, to labor, toil; to make, create, construct, buid; to accomplish; to acquire, earn, procure; to prepare; to offer sacrifice; to appoint; to constitute; to keep; to fulfill; to happen; to handle; to squeeze」
となっています。

とすると、一番最初に神が「天と地」(水やガスなどを含む)を創造されたとき、いわばその後の個々の創造の材料になるようなマテリアルを、まず無から有を生み出すという形で造られた、と考えることが出来るように思えます。その後に続く創造は、すでに存在しているマテルアルから「形造られた」ということになるのではないでしょうか。人間もまた「土地のちり」から造られたのですし。

ヘブライ語にはちゃんとふたつの「つくる」という単語があることを御存じなかったようでしたので、メールさせていただくことにしました。

なかむら





作者よりなかむらさんへ

00年3月12日


誤解されるような表現をしてしまいましたが、「つくる」という意味を持つヘブライ語に二種類ない、といったのではなく、そのうちの一つが無からの創造を意味する、というご主張を否定したのです。いずれの「つくる」にも「無からの」という意味が含意されているわけではないからです。

天と地(創1:1、2:3)と海の生き物と空を飛ぶ生き物(創11:21)と人間(創11:27)はバーラー(創造)されました。大空と水(創1:7)と太陽と月と星〔創1:16)と地上の動物(創1:25)はアーサー(創造)されました。どちらかが「無からの創造」なのでしょうか。


おたより、ありがとうございました。


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