佐倉さん今日は。
悪魔はかつて天使だった、というのを聞いたことがありますが、もともと善なる 存在だった天使がそんなに簡単に悪になるというのはおかしい気がします。天使自 体は悪ではないのに、キリスト教徒にとっての絶対的な存在である神に逆らったと いうことだけで、人間から悪魔扱いされているのではないでしょうか。いや、この 表現はおかしいのかな。神に逆らうことが悪なのだから。
それからもう一つ、人間の人間たる所以は知恵であると言ってもいいと思います が、その知恵を手に入れるきっかけとなった悪魔に対しても、人間は感謝すべきな のでは。人間の態度には随分偏りがあるとは思いませんか。もっとも僕個人は神と か悪魔の存在をそんなに信じているわけではないのでどうでもいいのですけど。ど うでもいいとか言いながら勝手なことを書いてしまってすみませんでした。でも、 前から疑問に思っていたことだったので。
神が悪魔の存在をゆるす、ということに関するわたしの意見は、「作者よりKikuchiさんへ」を参照して下さい。
創世記の楽園の物語は、たいへんシンボリックな表現の豊富な宗教文学であり、それゆえ、いろいろな解釈の可能性を秘めています。わたしには、「人間は神々のように知恵があるけれど、神々と違って永遠に生きることはできない存在である、という人間観の説明を試みた古代イスラエルの伝説である」、とする解釈が一番聖書に素直な解釈だと思われます。