これはあなたの思い込みによる間違いです。あなたは「エノクの預言」と聞いて、「エノクの預言=エノク書」と勝手に結論されていますが、これは間違いです。ユダの述べたエノクの預言は聖書には記されていません。おそらく、ユダヤ人に口伝えに伝えられていた伝承をユダがここで引用しただけでしょう。
まず第一に、「ユダヤ人に口伝えに伝えられていた伝承をユダがここで引用しただけでしょう」というのはK.M.さんの勝手な空想であって、根拠がありません。
第二に、たとえ、もし、ユダが「口伝えに伝えられていた伝承をユダがここで引用した」のだとしても、それならそれで、やはり、(正典として認められていない)外典であることに違いはありません。人間の伝承を神の言葉として認めれば、何が神の言葉であるかを区別する根拠は、それが聖書に含まれているかどうかでは決められないことになります。そうなれば、当然のことながら、聖書は特別な書物ではないことになります。ユダと同じように、ユダにならって、人々が、勝手に人間の伝承を神の言葉として主張しても、文句は言えません。
第三に、ユダの手紙の
アダムから数えて七代目に当たるエノクも、彼らについてこう預言しました。「見よ、主は数しれない聖なる者者たちを引き連れて来られる。それは、すべての人を裁くため、また不信心な生き方をした者たちのすべての不信心な行い、および、不信心な罪人が主に対して口にしたすべての暴言について皆を責めるためである。」における、引用部分は、単なる言及でもなく、パラフレイズでもなく、そっくりそのまま、エノク書1章9節です。すなわち直接引用です。