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言の葉

(20)


いい加減な嘘っぱちを、馬鹿でも金さえあればはいれる大学の学生に読ますやうに、いかにも本当らしく巧みに書き上げた社会学や、政治学や、法律学や、経済学の書物などは、その嘘つき具合を研究する他には何の用もないのだ。また、政府的思想から抜け出た自由主義者の学者や、社会学者や、無政府主義者の書物を読むにしても、ただ此の個人的思索を進める補助に役立てればいいのだ。

--- 大杉栄、『正義を求める心』 ---