牧元です。ネットサーフィンで予言についてのあなたとしての考え(「予言、聖書の暗号」)を読みました。私も予言で大変おびえ精神的に体調を崩し体重も5キロ近くやせてしまいました。聖書の暗号と同様マヤの暦によれば2012年に世界が滅亡するなどと書いてあり私はノストラダムスの予言以上に衝撃を受けノイローゼにかかりそうです。しかし、予言についてのあなたの考え方には少しは同調します。しかし、的中したらどうしようと言うことにおびえています。私は自殺も考えるぐらい恐怖におびえ気分転換すらできません。

(1)統計が教えるもの

まず、オウム真理教の麻原教祖の例を上げてみましょう。その時期はいろいろ変り、他説もありますが、たとえば、つぎのような終末予言をしました。

「ハルマゲドンは1997年である。」(1993年の発言)

「必ず戦いが起きる。そして必ず大量の殺戮がおきる。この1995年から一気に日本はハルマゲドン、そして三時世界大戦へと動いていく。」(1995年の発言)

もちろん、これらの予言は外れました。この例のような、人類史のなかでおこなわれた、数々の終末予言をすべてあつめて研究すれば、次の二つのことがわかるでしょう。
(1)過去二千年間、多くの時代が誰かによって「世の終わり」と予言されていた。
(2)過去二千年間、それらのすべての終末予言はまちがいなく外れた。(的中率0%)。
したがって、統計的に言えば、100%の確率で「2012年説」も外れることでしょう。


(2)都合のよい予言

オウム真理教の場合は、自分で最終戦争をおっぱじめようとしたのですから、戦争準備の出来具合にあわせて、麻原教祖は予言していたことになります。これは特殊な例です。一般に、予言の時期というのは、都合の良い時期になっているものです。何百年も先だと、人々の興味を惹きつけないし、あまりにすぐ近くだと、すぐデタラメであることがばれてしまう。そうなっちゃうと、本を買ってくれる人もなくなる(家族が養えなくなる)し、また、救いを求めて新興宗教に入信する人もなくなってしまう(教団が成り立たない)。そこで、「2012年」のように、そこそこの未来に時期が設定されているわけです。しかも、12年ほどもたてば、だれも、その年が「世の終わり」として予言されていたことなど、忘れてしまっているか、あるいは、新しい予言書が出版されて、「本当の終末は2021年である」などと、言っているかもしれません。幸福の科学の大川隆法教祖も「ここ数十年のうち」に終末が来ると予言しています。あまり先でもなく、あまり近くでもない、というのがすべての終末予言の特徴です。そこには、予言する著者や宗教家たちの事情があるわけです。


(3)自分の眼で確かめてください

気になることがあれば、それから目をそむけるのではなく、目を据えて徹底的に解明することが、もっとも良い方法だと思います。他人の意見に左右されず、図書館などで、過去になされた終末予言をあつめて、それらが成就しなかった事実を、ひとつひとつ自分の眼で確かめてみられたらどうでしょうか。人類の歴史は人間が予知能力をもっていないこと実証しています。それゆえ予言者はすべてペテン師です。そうでないことをそうらしく語って益を得るのが彼らの仕事です。じっくり目を据えてよく見れば彼らの論理の飛躍事実のわい曲が見えてくることでしょう。