さて、エラーを探し出し、述べる時、その記述に誤りがあっては、何の信ぴょう性もなくなり、単なるたわごとになると思います。その誤りがどんなに小さかろうと。

ヨセフは末っ子ではなく、末っ子はベニヤミンです。(けつから2番目)そして、兄たちが嫌ったのは、つげ口マンで、ごますりマンだったからと思います。もちろん年寄り子からくるかわいがりさからでもあります。その育ちからくるワガママぶり傲慢ぶりは、エジプトでさらに開花されます。おれが一番的な考え方で、有名なお偉いさんになりました。

福岡在住 なわた もとはる

ヨセフは末っ子ではなく、末っ子はベニヤミンです。(けつから2番目)
たしかに、そうでした。わすれていました。

つぎのような記述から、(ベニヤミンのことを完全に忘れて)わたしはヨセフが末っ子であったという印象を持ってしまったのです。

イスラエルは、ヨセフが年より子であったので、どの息子よりもかわいがり、彼には裾の長い晴れ着を作ってやった。兄たちは、父がどの兄弟よりもヨセフをかわいがるのを見て、ヨセフを憎み、穏やかに話すこともできなかった。 (創世記 37:3-4)
このように、「ヨセフが年より子であったので、どの息子よりもかわいがり・・・」という表現は、すくなくともこの時にはまだヨセフが最年少であったことを含意しているように受け取れるわけです。

ところが、35章のラケルの死の記述(16-18)のところで、ヤコブの一行がまだベテルからエフラタに向かう途中、ベニヤミンの誕生の物語がありますので、こちらの物語に従えば、ヨセフのエジプト売りの事件が起きたとき(つまり、ヤコブの家族はすでに定住しているとき)には、もうベニヤミンという年下の弟がいたことになります。

そうすると、この二つの記述は矛盾しているとも考えられます。K.D.Shunck によれば、ベニヤミンという人物からその子孫としてベニヤミン族がでてきたのではなく、ベニヤミン族の歴史が創作されるなかでベニヤミンという名前の祖先が創作されたのだそうですが("Benjamin", The Anchor Bible Dictionary)。わたしもそうではないかと思うようになりました。たしかに、ヨセフ事件のどこにもベニヤミンがまったく登場しないのは奇妙な感じがします。