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日本の知的遺産

日本思想史年表


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戦前 

1901-1910]  [1911-1920]  [1921-1930]  [1931-1940]  [1941-1945

1901年(明治34年)
日本 八幡製鉄、社会民主党結党・禁止、福沢諭吉没、山陽鉄道全線開通、中江兆民没
世界 セ・ルーズベルト大統領、フッサール『論理学研究』
作者作品
清沢満之 精神主義 人の生は「絶対的無限者」をその立脚地とせねばならない。
高山樗牛 美的生活論 恋愛を知らずして死ぬ人生に価値はない。
中江兆民 一年有半』『続一年有半』(博文館) 全ての帝国主義は自由と平等の理念の前に必ず屈する。
波多野清一 西洋哲学史要』(大日本図書) 「文学より哲学の方がおもしろい」と言わせた名著
福沢諭吉 痩我慢の説」(『時事新報』) 痩我慢は武人の精神である。
  
1902年(明治35年)
日本 日英同盟協約、八甲田山で行軍遭難、教科書疑獄事件、正岡子規没、大谷光瑞が中央アジア探検
世界 シベリア鉄道、ボーア戦争終結、米フィリピン制圧宣言、レーニン『なにをなすべきか』
作者作品
井上哲次郎 日本古学派之哲学』(冨山房) 明治を代表する一学者の「日本従来の哲学」通史。
  
1903年(明治36年)
日本 平民新聞創刊、第一回早慶戦、東京の中国留学生が対ロ義勇兵、日比谷公園開園
世界 ペスト流行、ライト兄弟、米パナマ運河建設権獲得、ボリシェヴィキとメンシェヴィキが対立、ムーア『倫理学原理』
作者作品
幸徳秋水 社会主義神髄』(朝報社)
岡倉覚三(天心) 東洋の理想 アジアは一つである。
内村鑑三 聖書之研究」「万朝報」で対ロシア非戦論を展開 戦争廃止論の声のない国は未開国であり、野蛮国である。
  
1904年(明治37年)
日本日露戦争、与謝野晶子「君死にた給ふことなかれ」
世界片山潜が第二インターナショナル参加、ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
作者作品
岡倉天心 『The Awakening of Japan 日本の目覚め』(センチュリー社) 欧米によるアジアの侵略行為は『白禍』である。
  
1905年(明治38年)
日本「吾輩は猫である」、桂・タフト覚書、日本海海戦勝利、日露講和条約
世界ロシア第一次革命「血の日曜日」、ベトナム日本に独立援助を請う、孫文ら中国革命同盟会結成、中国が科挙を廃止
作者作品
村上専精 仏教倫理』(哲学館)東大印度哲学科の初代主任教授の仏教倫理
井上哲次郎 日本朱子学派之哲学』(冨山房) 
  
1906年(明治39年)
日本日本社会党結成、満州鉄道、サンフランシスコで移民排斥運動
世界朝鮮で抗日義兵蜂起、米キューウバに軍事干渉、全インド・ムスレム連盟発足
作者作品
丘浅次郎 進化と人生』(開成館)  
加藤弘之 自然界の進化と矛盾』(金港堂) 
  
1907年(明治40年)
日本第三次日韓協約、初の国産ガソリン車、義務教育六年に
世界米大統領日本人労働者の入国禁止、英露協商締結、ベルクソン『創造的進化』、ジェームス『プラグマティズム』
作者作品
姉崎正治 美の宗教』(博文館) 近代日本における知識人と宗教
綱島梁川 回光録』(金尾文淵堂)綱島梁川の生涯と思想
  
1908年(明治41年)
日本大杉栄逮捕(赤旗事件)、ブラジル移民、日本初の映画撮影所、「味の素」
世界中国革命派が雲南河口を占領、コンゴがベルギー領に、ロンドン海軍会議
作者作品
  
1909年(明治42年)
日本両国国技館、伊藤博文暗殺
世界
作者作品
井上圓了 哲学新案』(弘道館) 
朝永三十朗 人格の哲学と超人格の哲学』(弘道館) 
波多野清一 基督教の起源』(警醒社) 
浮田和民 倫理的帝国主義非暴力的帝国主義の提唱
  
1910年(明治43年)
日本幸徳秋水の大逆罪事件、「白樺」創刊、ハレー彗星接近、唱歌「春が来た」
世界南アフリカ連邦成立、第二次日露密約(満州の現状維持)、メキシコ革命ぼっ発
作者作品
藤井健治朗 主観的道徳要旨』(弘道館) 
波多野清一 スピノザの研究』(警醒社 
  
1911年(明治44年)
日本日米新通商航海条約、「立川文庫」創刊、「青鞜」創刊
世界安岳事件、第二次モロッコ事件、リビア戦争、辛亥革命、モンゴル独立宣言、アムンゼン南極探検
作者作品
西田幾多朗 善の研究』(弘道館) 
  
1912年(明治45年、大正1年)
日本天皇機関説論争、明治天皇没、乃木大将殉死、第一回憲政擁護大会
世界中華民国成立(南京)、キューバの黒人独立反乱に米の軍事干渉、第三次日露密約(内モンゴル分割)、第一次バルカン戦争
作者作品
田中王堂 哲人主義 
  
1913年(大正2年)
日本大正政変、「大菩薩峠」連載、「郷土研究」創刊、日本結核予防協会
世界レーニン「アジアの目覚め」、ラッセルとホワイトヘッド『プリンキピア・マティマティカ』、フッサール『イデーン』
作者作品
平塚らいてう 新しい女」(『中央公論』)「新しい女は男の便宜のために造られた旧き道徳、法律を破壊しやうと願つてゐる」
和辻哲郎 ニーチェの研究』(内田老鶴圃) 
  
1914年(大正3年)
日本第一次大戦参戦(対独宣戦布告)、宝塚少女歌劇第一回公演、東京駅完成
世界米メキシコのベラクルス占領、オーストリア皇太子暗殺、パナマ運河開通、英エジプトを保護国
作者作品
宇野哲人 支那哲学講話』(大同館) 
阿部次郎 三太郎の日記』(岩波書店) 
  
1915年(大正4年)
日本中国へ21カ条要求、「大戦景気」、猪苗代水力発電所
世界独対英封鎖宣言、イタリア三国同盟破棄、
作者作品
木村泰賢 印度六派哲学』(丙午出版) 
西晋一郎 倫理哲学講義』(育英書院) 
西田幾多朗 思索と体験』(千草館) 
和辻哲郎 ゼレン・キエルケゴール 
  
1916年(大正5年)
日本タゴール来日、工場法施行、民本主義
世界ソシュール『一般言語学講義』
作者作品
吉野作造 憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず」(『中央公論』) 
河上肇 貧乏物語 
紀平正美 哲学概論』(岩波書店) 
朝永三十朗 近世に於ける我の自覚史』(宝文官) 
  
1917年(大正6年)
日本『主婦之友』創刊、理化学研究所設立、成城小学校開校、浅草オペラ
世界
作者作品
桑木厳翼 カントと現代の哲学』(岩波書店) 
西田幾多朗 自覚に於ける直観と反省』(岩波書店) 
西田幾多朗 現代に於ける新理想主義の哲学』(弘道館) 
左右田喜一朗 経済哲学の諸問題』(佐藤出版部) 
河上肇 貧乏物語』(弘文堂) 
  
1918年(大正7年)
日本シベリア出兵宣言、初の政党内閣(原敬)、武者小路実篤「新しき村」
世界シュペングラー『西洋の没落』
作者作品
田辺元 科学概論』(岩波書店) 
  
1919年(大正8年)
日本「改造」創刊、「猶存社」結成、3・1朝鮮独立運動
世界ヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』
作者作品
津田左右吉 古事記及び日本書紀の研究』(洛陽堂) 
高田保馬 社会原理』(岩波書店) 
中島力蔵 最近倫理学説の研究』(岩波書店) 
  
1920年(大正9年)
日本第一回メーデー
世界
作者作品
波多野清一 宗教哲学の本質とその根本問題』(岩波書店) 
和辻哲郎 日本古代文化』(岩波書店) 
西田幾多朗 意識の問題』(岩波書店) 
  
1921年(大正10年)
日本原首相暗殺、自由学園開校
世界
作者作品
倉田百三 愛と認識との出発』(岩波書店) 
河上肇 唯物史観研究』(弘文堂) 
土田杏村 文化主義原論』(内外出版) 
波多野清一 西洋宗教思想史(一)』(岩波書店) 
大川周明 日本文明史 
出隆 哲学以前』(大村書店) 
  
1922年(大正11年)
日本ワシントン軍縮会議、アインシュタイン来日
世界デューイ『人間性と行為』
作者作品
高田保馬 社会と国家』(岩波書店) 
阿部次郎 人格主義』(岩波書店) 
左宇田喜一朗 文化価値と極限概念』(岩波書店) 
朝永三十朗 カントの平和論』(改造社) 
  
1923年(大正12年)
日本第一次共産党事件(暁の手入れ)、「文芸春秋」創刊、関東大震災、大杉栄殺害
世界ブーバー『我と汝』
作者作品
北一輝 日本改造法案大綱』(改造社) 
紀平正美 行の哲学』(岩波書店) 
西田幾多朗 芸術と道徳』(岩波書店) 
  
1924年(大正13年)
日本第二次護憲運動、米国新移民法アジア人の移民を禁止
世界
作者作品
宇井伯寿 印度哲学の研究』(甲子社書房) 
植田寿蔵 芸術哲学』(改造社) 
田辺元 カントの目的論』(岩波書店) 
宮沢賢治 春と修羅』、『注文の多い料理店』(自費出版) 
  
1925年(大正14年)
日本普通選挙成立(25歳以上の男子)、「キング」創刊、ラジオ放送始まる、朝鮮神宮完成
世界
作者作品
石原純 科学の根本問題』(興学会出版部) 
田辺元 数理哲学の研究』(岩波書店) 
阿部能成 カントの実践哲学』(岩波書店) 
朝永三十朗 デカート』(岩波書店) 
細井和気蔵 女工哀史』(改造社) 
  
1926年(大正15年、昭和元年)
日本大正天皇没、「日本労働党」結成
世界
作者作品
和辻哲郎 日本精神史研究』(岩波書店) 
和辻哲郎 原始基督教の文化史的意義』(岩波書店) 
大島正徳 近世英国哲学史』(三共出版) 
三木清 パスカルに於ける人間の研究』(岩波書店) 
  
1927年(昭和2年)
日本金融恐慌始まる、第一次山東出兵、芥川龍之介自殺、ラジオで野球の実況中継、上野‐浅草間地下鉄開通
世界ハイデッガー『存在と時間』
作者作品
西田幾多朗 働くものから見るものへ』(岩波書店) 
和辻哲郎 原始仏教の実践哲学』(岩波書店) 
大西克礼 現代美学の問題』(岩波書店) 
  
1928年(昭和3年)
日本第一回普通選挙、3・15事件(共産党員一斉検挙)、織田幹雄が日本人初の金メダル
世界
作者作品
三木清 唯物史観と現代の意識』(岩波書店) 
錦田義富 実践哲学研究 
徳能文 現今の哲学問題』(第一社房) 
河上肇 資本論入門 
  
1929年(昭和4年)
日本阪急百貨店開店、世界恐慌始まる
世界ホワイトヘッド『過程と実在』、ウィーン学団
作者作品
野呂栄太郎 日本資本主義発展史』(鉄塔書院) 
戸坂潤 科学方法論』(岩波書店) 
折口信夫 古代研究』(大岡山書店) 
山内得立 現象学序説』(岩波書店) 
  
1930年(昭和5年)
日本金解禁、ロンドン軍縮条約、台湾で日本の植民地支配に対して武力蜂起
世界
作者作品
山内得立 存在の現象形態』(岩波書店) 
西晋一郎 実践哲学概論』(岩波書店) 
西田幾多朗 一般者の自覚的体系』(岩波書店) 
九鬼周蔵 「いき」の構造』(岩波書店) 
紀平正美 日本精神』(岩波書店) 
  
1931年(昭和6年)
日本秘密結社桜会のクーデター未遂、関東軍の柳条湖事件
世界
作者作品
三木清 観念形態論』(鉄塔書院) 
  
1932年(昭和7年)
日本満州国建国、犬養首相暗殺、リットン報告書
世界ヤスパース『哲学』、ベルクソン『道徳と宗教の二源泉』
作者作品
西田幾多朗 無の自覚的限定』(岩波書店) 
田辺元 ヘーゲル哲学と弁証法』(岩波書店) 
高橋里見 全体の立場』(岩波書店) 
三木清 歴史哲学』(岩波書店) 
  
1933年(昭和8年)
日本滝川幸辰教授事件、国際連盟脱退、小林多喜二虐殺、三原山投身自殺ブーム、「東京音頭」
世界
作者作品
九鬼周蔵 実存の哲学 
田辺元 哲学通論』(岩波書店) 
黒田亮 勘の研究』(岩波書店) 
西田幾多朗 哲学の根本問題』(岩波書店) 
  
1934年(昭和9年)
日本忠犬ハチ公の銅像、溥儀が満州国皇帝に即位、プロ野球チーム誕生、室戸台風
世界カルナップ『言語の論理的構文論』
作者作品
西田幾多朗 哲学の根本問題続編』(岩波書店) 
和辻哲郎 人間の学としての倫理学』(岩波書店) 
田辺元 社会存在の論理 
  
1935年(昭和10年)
日本湯川秀樹「中間子論」を発表、大本教の弾圧、「天皇機関説」論争
世界マルセル『存在と所有』
作者作品
波多野清一 宗教哲学』(岩波書店) 
天野貞祐 カント純粋理性批判』(岩波書店) 
和辻哲郎 カント実践理性批判』(岩波書店) 
和辻哲郎(岩波書店) 風土 
和辻哲郎 続日本精神史研究』(岩波書店) 
九鬼周蔵 偶然性の問題』(岩波書店) 
戸坂潤 科学論』(白陽社) 
戸坂潤 日本イデオロギー論』(白陽社) 
務台理作 ヘーゲル研究』(弘文堂) 
西田幾多朗 哲学論文集』(岩波書店) 
  
1936年(昭和11年)
日本2・26事件、郡部大臣現役武官制、日独防共協定、西安事件、前畑選手が水泳で金メダル、阿部定事件
世界フッサール『超越論的現象学』、マリタン『十全的ヒューマニズム』、ベルジャーエフ『実存についての五省察』
作者作品
桑木厳翼 倫理学の根本問題 
高橋里美 体験と存在』(岩波書店) 
  
1937年(昭和12年)
日本廬溝橋事件、国民精神総動員運動、南京大虐殺、ヘレン・ケラー来日、「人生の並木道」
世界
作者作品
天野貞祐 道理の感覚』(岩波書店) 
天野貞祐 道理への意志』(岩波書店) 
和辻哲郎 倫理学(上)』(岩波書店) 
高坂正顕 歴史的世界』(岩波書店) 
児山敬一 数理哲学』(モナス) 
  
1938年(昭和13年)
日本日中戦争泥沼化、国家総動員法公布、従軍作家陸軍部隊、「新東亜秩序」声明
世界
作者作品
高山岩男 哲学的人間学』(岩波書店) 
永田広志 日本哲学思想史』(三笠書房) 
鈴木大拙 禅と日本文化』(岩波書店) 
文部省 国体の本義』(文部省) 
山田孝雄 五十音図の歴史』(宝文館) 
  
1939年(昭和14年)
日本ノモハン事件、日本初のサイクロトロン設置、第二次世界大戦勃発
世界
作者作品
高坂正顕 カント』(弘文堂) 
高坂正顕 カント解釈の問題』(弘文堂) 
九鬼周蔵 人間と実存』(岩波書店) 
高橋里美 歴史と弁証法』(岩波書店) 
三木清 構想力の論理(第一)』(岩波書店) 
久松真一 東洋的無』(弘文堂) 
  
1940年(昭和15年)
日本斉藤隆夫議員の反戦演説、日独伊三国同盟、大政翼賛会発足
世界
作者作品
三宅剛一 学の形成と自然的世界』(弘文堂) 
西谷啓治 根本的主体性の哲学』(弘文堂) 
務台理作 表現と論理』(弘文堂) 
波多野清一 宗教哲学序論』(岩波書店) 
  
1941年(昭和16年)
日本国民学校令(皇国民錬成)、帝国国策要綱、ゾルゲ事件、真珠湾攻撃
世界
作者作品
東条英機 戦陣訓 
下村寅太郎 科学史の哲学』(弘文堂) 
  
1942年(昭和17年)
日本ミッドウェー海戦、ガダルカナルの戦い、関門トンネル
世界カミュ『シジフォスの神話』
作者作品
高山岩男 世界史の哲学』(岩波書店) 
高橋里美 包弁証法』(理想社) 
和辻哲郎 倫理学(中)』(岩波書店) 
  
1943年(昭和18年)
日本山本五十六戦死、学徒出陣、黒沢明「姿三四郎」
世界
作者作品
波多野清一 時と永遠』(岩波書店) 
白石早出雄 数と連続の哲学』(共立出版) 
  
1944年(昭和19年)
日本サイパン島で玉砕、インパール作戦、東京空襲、学童疎開、神風特攻隊、横浜事件、学徒勤労動員
世界サルトル『存在と無』
作者作品
務台理作 場所の論理学』(弘文堂) 
金子武蔵 ヘーゲルの国家観』(岩波書店) 
下村寅太郎 無限論の形成と構造』(弘文堂) 
九鬼周蔵 西洋近世哲学稿』(岩波書店) 
  
1945年(昭和20年)
日本ヤルタ会談、西田幾多朗没、三木清獄死、広島・長崎へ原爆投下、ポツダム宣言受諾
世界ポンティ『知覚の現象学』
作者作品


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制作:佐倉 哲