人間というものは失敗する動物です。しかし、同じ失敗を繰り返すのは馬鹿と言われます。昨日(10月2日)、東京小平市のJA支店で現金輸送車が襲われ、一億円以上の現金が奪われ、犯人は逃走したそうです。これがはじめての事件なら、仕方がないでしょう。しかし、先月(9月)にも大阪府岸和田市のある信用金庫でも同じような事件が有り、先々月(8月)にも千葉県鴨川市の佐川急便営業所で同じような事件が有り、その前の月(7月)にも神奈川県真鶴町のJAで同じような事件が起こっています。

このような事態を見れば、現金を取り扱う金融機関は、もうすでに、同じ事件が起こらないような措置を施していなければなりません。しかも、それらの事件のやり方もたいして手の込んだやり方ではないのですから、それを防ぐ方法もそんなに難しいものではありません。それなのに、昨日、東京小平市のJA支店で起こった現金輸送車襲撃事件を見ると、JA支店も現金輸送車の警備員も、起こるべき襲撃に対していかなる防御措置も取っていなかったことは明らかです。この警備員たちは何の抵抗もしていません。かれらは、金を出せと脅されて、だまって金袋を全部手渡す手助けをしただけです。

いったい何のための「警備員」なのか。警備する気もその能力もない警備員とは何ですか。月給泥棒以外の何ものでもありません。警備する気もその能力もない警備服を着ただけの泥棒に現金輸送という大役をまかせる金融機関も愚かと言わねばなりませんが、預金者の金を護ろうとする良識も意志もない愚か者ぞろいの金融機関に金を預ける日本人も馬鹿です。

今回の事件を契機に、そのような事件を誘引した無責任な金融機関からは、預金者がすべての預金を引きだすぐらいのことをするのでなければ、この馬鹿どもはマスコミのまえで「迷惑をかけました」と頭を下げるぐらいで済まそうとすることでしょう。そして、そのつけは、いつものように、わたしたち納税者にまわってくるのです。

わたしは、日本の自衛隊員が、警備する気もその能力もない警備服を着ただけの月給泥棒ではないかと、心配です。今回米国で起きたテロ事件を、日本には関係のない対岸の火事と思い込んで、自らを護るためのいかなる措置も取らないとしたら、同じような惨劇はかならず繰り返されることでしょう。外国における非加熱血液製剤によるHIV感染は日本では起こらないと思い込んでいた愚かな医療関係者や、外国で起きた狂牛病は日本では起こらないと思い込んでいた愚かな農水産の官僚達や、大阪や千葉や神奈川で起こった事件を対岸の火事と思って何もしなかった東京小平市JA支店の愚か者たちが示したように。