佐倉哲エッセイ集

国連革命

--- 日本の使命 ---

佐倉 哲


1998年7月15日


日本の国連における第一の使命は、むだ金をばらまくことでもなく、自らの信念もないくせに「国際的に認められるために」PKOに自衛隊を派遣することでもなく、常任理事国入りして、なにをやるのか誰にもわからない「国際的責任」を全うしようとすることでもない。

国連の無能力はその封建的身分制度にその根拠がある。すなわち、世界の人々を、生まれによって常任理事国になる人々(拒否権を持つ特権階級国家群)と、生まれによって常任理事国になれない人々(平民国家群)に分ける非民主主義的システムである。このシステム中では、大多数の国家の意見や討論はほとんど無意味と化してしまうからだ。この制度は、「大小各国の同権」を謳う国連憲章そのものに違反する。

そのために、日本が世界の諸国と協力してなすべきことは、この特権階級的な常任理事国の制度を廃止して、民主的な国連制度を制定することである。現在、安全保障理事会は、永久的「常任理事国」5カ国(米国、露国、英国、仏国、中国)と、総会の選挙によって選ばれる「非常任理事国」10カ国の合計15カ国からなっている。通常は、この15カ国のうちの9カ国が賛成することによって、表決なされるわけであるが、日本が世界の諸国とともになすべきことは、常任理事国を廃止して、すべて15カ国が総会の選挙によって選出される制度を打ち立てることである。

これは難しいことではない。総会の三分の二と常任理事国を除いた安保理事会の過半数(同数の場合は国連総長の一票を加える)の表決を得て、その決定を宣告すればよいのである。通常は、常任理事国の拒否権発動によって、総会の結論も無視されることが多いわけであるが、この場合、もし拒否権が発動される場合はこれを無視しなければならない。選挙で選ばれていない者には権力が委託されていないというのが民主主義の原則であるからだ。つまり、これは革命なのである。そして、日本は、何よりもまず、この革命を達成させることを国連における第一使命とすべきである。